Simplify


削ぎ落としたら、何が残るのか

巻頭言

 目的に向かって自らの意思で削ぎ落とすこともあれば、新型コロナウイルス感染症という外部要因で削ぎ落とされて気づいた大切なものもあると考えます。
 タイトルにある「Simplify」とは、“物事の部分や段階の数を減らしたり、わかりやすくしたりして、何かを簡単にする”という意味の動詞です。情報が溢れかえる時代、そして何が起こるかわからない変化の激しい時代だからこそ、能動的に自分の頭と心で考え、自分の大切にしたいことに素直になって、シンプルにしていく作業がより一層大切になってくるのではと感じています。

削ぎ落としたら、何が残るのか。
どんな未来にしたいのか。

 そんな Simplify された先に見据える思いと、Simplify する過程を、さまざまな角度から見つめ直すきっかけになればと思い、本号を企画しました。
 令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の位置づけは「5類感染症」となり、法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民一人ひとりの自主的な取組をベースとした対応に変わってきています。
 コロナ禍で得た多くの気づきを忘れずに、前に進むためには何が必要か。分野の異なる個性豊かなみなさまのお言葉から、考え、感じる号となれば幸いです。

本誌編集委員 蛭子 彩華