時間と距離を越える
学びの未来

巻頭言

 コロナによって、学びや教育のあり方が大きく変わりました。
 子どもたちの学びは「校舎に通って先生の授業を聴く」という固定化されたスタイルからオンラインを活用し、「リアルの補完としてのオンラインでの教育」と「オンラインで完結する教育」の両方のあり方が実践・議論されるようになりました。
 オンラインで学ぶことが当たり前になったことで、既存の学校教育だけでなく、動画サイトなどでいつでもどこでも自由に学ぶことが可能になり、都市と地方、海外と日本といった教育機会の差が小さくなっています。
 また、大人にとっても、通勤時間の削減、研修のオンライン化、不確実性が高い時代への備えなどが重なり、「キャリアを自分でデザインし、そのために必要なスキルを能動的に取得していく」きっかけとなりました。
 さらに、コロナで都市の優位性が崩れ、移住や地方でのテレワークなどが盛んに語られるようになり、地方だからこそできる学びの場として活用する動きも出てきています。
 今号では「時間と距離を越える学びの未来」をテーマに、「デジタル」「大人の学び」「地方」の 3 つのサブテーマで新しい時代の教育のあり方について掘り下げてみます。

本誌編集委員 山本 裕介