第9回
初めに志ありき

 さまざまな困難に遭遇したとき、人は原理原則に立ち戻ることで正解に近づくことができます。
 または、先人の言葉を参考にすることで事態を打開できることがあります。
 そこで私がこれまで先輩に教わり、あるいは体験したり、書籍から学んだことをお伝えさせていただきたいと思います。

其の1

初めに志ありき

 新しい人生のスタートにあたって志を立てる。これは難しいことではありません。自分の大切な人が喜ぶ姿を思い浮かべ、自分はどんなことをしたらよいか、自分はどんな人間になりたいかを考えれば、おのずと意志は固まります。そして、それが志です。
 大きな志を立てたら、あとはその実現のためにひたすら邁進する。
 そのためには、一歩を踏み出す小さな勇気を持つことが大事です。
 大きな志のために小さな勇気を持つ。そして、勇気を持って一歩を踏み出す。すると、周りの景色は変わり、可能性はより広がり、また新しいチャンスが生まれます。

其の2

よく学ぶ

 実践は優れて理論的であり、理論は優れて実践的であることを要します。実践の背景には確固たる理論があり、理論のベースには実践の積み重ねがあります。
 仕事では、これを肝に銘じ、現場をよく知り、法則性をつかんでください。同時に、ひとつの仕事の達成には多くの人の関わりや努力の結晶があることを学んでください。
 大切なことは、自分の頭で徹底的に考え抜くことです。他人の受け売りや借り物でない人生を歩むことです。そのことが、みなさんの人生を豊かにし、人生観を確かなものにしていきます。
 いつも好奇心に満ち溢れ、何事も貪欲に学習して自分のものにしてください。

公益社団法人 日本マーケティング協会
会長 藤重貞慶